始祖であり王様である『ファットFIRE』
生活費を絞ることもなく、贅沢費すら資産収入(不労所得)で賄ってしまうFIREのことをいいます。
別名『フルFIRE』
当然、1秒たりとも働くことはありませんし、お金に対する不安はこれっぽっちも感じないでしょう。
そんな夢のようなFIREを、何も取り柄のない高卒会社員、しかも低年収が達成なんてできるのでしょうか?
- ファットFIREとは?
- ファットFIREの必要額は?
- 高卒や低収入の会社員でも可能?
- ファットFIREするためには何が必要か?
結論
ファットFIREは高卒や収入といった属性に関わらず、再現性のある達成方法は無い!
生活費を抑えるリーンFIREや、生活費の一部を労働で補うサイド/バリスタFIREを目指すのが合理的な選択。
ファットFIREとは
ファット(fat)を頭に付けたFIREで別名が「フルFIRE」。
娯楽費等の贅沢費を含めたうえで、貯蓄や不労所得で賄うことができるほどの経済的自立を達成している状態です。
ファットFIREとは?
- 質素ではない平均的な暮らし(年収400万円~年収800万円想定)
- お金の為に働く必要なし
- 収入源は配当金や運用資産取り崩し
- 必要資産は1億弱以上
あくまでもFIRE(経済的自立と早期リタイア)のため、質素な生活ではなく平均的な暮らしができる、『年収400万円~800万円程度の生活水準』を満たせる資産を持っている状態がフルFIREと言えるでしょう。

湯水のようにお金を使う大富豪のようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、贅沢な暮らしよりも『経済的自立』に主眼を置いています。
当然、お金を目的に働く必要はなく、自身の時間をすべて自由に使うことができます。
節約して生活を絞る必要もなく、だれもが理想とする生活を送ることができるでしょう。
誰もが理想とするが、達成している人が少ないということは難易度がとても高いことを意味しています。

働かないで生きていくということなんだから、当然と言えば当然だよな!
ファットFIREの必要額
ファットFIREでの必要資金はどのくらいになるのでしょうか?
目指す生活水準別に、必要資産を計算してみた図がコチラです。
ファットFIRE 必要資産額
トリニティスタディの『4%ルール』を基に、年間支出の25倍を必要額とする。
※参考:Wikipedia
希望年収 | 生活費/年 | 必要資産額 (金融所得税ナシ) | 必要資産額 (金融所得税20.315%) |
---|---|---|---|
400万 | 300万 | 7,500万 | 約9,412万 |
500万 | 375万 | 9,375万 | 約1億1,765万 |
600万 | 450万 | 1億1,250万 | 約1億4,118万 |
700万 | 525万 | 1億3,125万 | 約1億6,471万 |
800万 | 600万 | 1億5,000万 | 約1億8,824万 |
900万 | 675万 | 1億6,875万 | 約2億1,177万 |
1000万 | 750万 | 1億8,750万 | 約2億3,530万 |
人並みの生活を資産収入からだけで賄おうとすると、年収400万円相当の生活であっても1億弱が必要なことが分かります。
とてもではありませんが、普通の現役世代が1億を貯めるのは不可能です。
勤め上げて退職金をもらったとしても億単位の資産を築くことは容易ではないでしょう。
なぜなら、老後2000万円問題が騒ぎになったわけですから、多くの人が2000万円すら難しいと感じているのです。

これほどの大金をどうやって作ればいいんだよ…

高卒や低年収でも可能なのか、方法を考えていきたいと思います。
高卒/低年収でも方法はあるのか?
素晴らしい生活であるファットFIRE。
必要資産額を貯める為にはどうすればいいのでしょうか?
先ほどの表で一番条件の緩い『年収400万円相当/金融所得税アリ』で考えてみましょう。
必要資産は9412万円。これを40歳半ばにリタイアしたい想定で25年間で溜めようとするとどうなるのでしょうか?
9412万円÷300カ月(25年×12カ月)=31.3万円/1カ月当たり
1カ月当たり31.3万円を貯蓄しないといけません。
手取りで31.3万となると年収500万円相当の収入を25年間一切手を付けずに積み上げる必要があります。

年収800万くらいあれば、20万生活費で30万貯金…いけるのか?

新卒時から年収800万レベルで、そんな質素な生活を続けるのは相当ツラいと思います。
先ほどの例では、貯蓄だけで達成しようとした場合の数値でした。
同様の条件で年利回り4%の投資に回していた場合だと、月18.4万円を投資に回すことができれば25年で達成が見えてきます。
とはいえ、月に18.4万円の投資を25年間続けるのは至難の業。そのほかの希望年収帯の場合の数値も参考までに示します。
目標額をためるには…
資産運用:年利回り4%
金融所得課税:20.315%
希望年収 | 15年間の場合 | 20年間の場合 | 25年間の場合 |
---|---|---|---|
400万 | 38.4万 | 25.8万 | 18.4万 |
500万 | 48万 | 32.3万 | 23.1万 |
600万 | 57.7万 | 38.8万 | 27.7万 |
700万 | 67.3万 | 45.2万 | 32.3万 |
800万 | 76.9万 | 51.7万 | 36.9万 |
900万 | 86.5万 | 58.2万 | 41.6万 |
1000万 | 96.1万 | 64.6万 | 46.2万 |
この数字を見てどう思いましたか?

低年収がファットFIREなんて絶対無理じゃん…
高卒や低年収でも達成することができる再現性のある方法はあるのでしょうか?
ハッキリ言ってしまえばありません。
ただし、高卒や低年収だから無いのではなく、どんな人に対しても現実的な達成プランはないのです。
その理由は日本人の生涯賃金にあります。
平均生涯賃金
学歴 | 生涯賃金 (60歳まで) | 退職金 | 合計 |
---|---|---|---|
高卒(男性) | 約2億800万 | 約1,400万 | 約2億2,200万 |
高卒(女性) | 約1億5,400万 | 約1,400万 | 約1億6,800万 |
大卒(男性) | 約2億5,100万 | 約1,800万 | 約2億6,900万 |
大卒(女性) | 約2億100万 | 約1,800万 | 約2億1,900万 |
このように、大卒であろうと2億中盤が生涯獲得できる賃金なのです。
老後まで働き続けて、退職金を含めてもやっとです。
当然、生活費やその他の出費で現役時代に消費しますのでまるまる蓄財に回すことはできません。
税金や社保障もここから引かれますので、思っている以上に手元に残るお金は多くありません。

ストイックな資産形成をしても、1億に到達するのは定年間際とかになりそうだね…
このように、ファットFIREは最低でも1億弱必要なため、低年収だけでなく平均的な生涯所得を得られる人ですら達成できないでしょう。
それでは、世の中でファットFIREを達成している人達はどのような方法で実現したのでしょうか?
ファットFIREするために必要なもの
再現性のある方法が無さそうなファットFIRE。
それでも世の中には達成している方が数多くいます。
そういった方たちは何が強みで、若くして大きな資産を築くことができたのでしょうか?
資産形成を分解して考えてみると、案外単純な理由ということが分かります。
大前提として資産形成の成果は以下の方程式で決まります。
収入-支出+(資産×運用利回り)
変数は『収入』『支出』『運用利回り』の3つです。
ファットFIREでは、この中でも『収入』か『運用利回り』で突出した成果を上げる必要があります。
なぜなら『支出』で突出した成果を残したとしても、入ってくるお金の総量は増えないため、ファットFIREするのは不可能なのです。

コレが低年収の凡人がファットFIREできない理由です。
では、『収入』や『運用利回り』で突出した成果を上げるとはどういうことでしょうか?
- 年収数千万を稼ぐ超エリート
- 起業して自身のビジネスを成功させる
- 個別株でテンバガー株を当てる
- レバレッジを利かせて大きな額を運用して成功する
- トレードで継続して大きな勝ちを続ける
- 相続や宝くじなどで大きな種銭を若年で得る
何にせよ言えることは、再現性が皆無。ということです。
その人の才能や血のにじむような努力に加え、運も重なったうえで、適切にリスクテイクをしてきた人達にしか実現できない事ばかりです。
普通のサラリーマン、凡人がやろうと思ってできることではありません。

これができたら苦労しねーよ!って感じだな!
凡人にできるFIREは4種類
ファットFIREは凡人には無理!というお話になってしまいましたが、FIRE自体は高卒であろうと低年収であろうと正しく努力をすれば可能です。
- コーストFIRE
- リーンFIRE
- サイドFIRE
- バリスタFIRE
これら4つのFIREは必要資産千万~数千万程度で達成することが可能です。
ファットFIREほどの快適さはありませんが、それでもフルタイムで働き続けたり、お金に悩まされる日々からは解放されます。
当ブログでは、高卒低年収でも目指せるFIREをテーマに、再現性ある方法を模索し解説していきます。応援いただけますと幸いです。
次に読みたい記事
最後までお読みいただきありがとうございました!