皆さんはMBOをご存知でしょうか?
MBOとは「Management Buyout」の略で、経営陣による買収です。
通常、株価にプレミアム(上乗せ)が付いた価格で株の買い取りが行われます。
投資家にとっては高く株を売ることができる嬉しいサプライズです。
現経営陣や後継者など内部の自社株買いで、非上場化したり経営の自由度を上げる目的で行われます。
今回、私の持ち株のセントケアホールディングスがMBOの対象になりました。
個別株投資をやってきて初めての経験です。
MBOの時にどうしたらいいのかを調べてみました。
保有株がMBOやTOBになった時の選択肢とそれぞれのメリット・デメリット。

謎の封筒が届いてからMBOになったことに気づきました…

それまで情報チェックしてないとか個別株投資家失格だよ…
結論
市場で売却が『一番ラク』に『素早く』対応できてオススメ!
| 選択肢 | 確実性 | 価格 | 資金ロック | 手間 |
|---|---|---|---|---|
| 公開買い付けに応募 | 〇 | ◎ | △ | × |
| 市場で売却 | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
| 強制買取までホールド | × | △ | × | △ |
3つの選択肢
MBO・TOBの対象になった時、大まかに3つの選択肢が存在します。
- 公開買い付けに応募する
- 市場で売却する
- 売らずにホールドする
それぞれメリットとデメリットがありますが、個人投資家なら
『市場で売却』か『公開買い付けに応募』の実質2択になります。
結論としては『市場で売却』がタイムパフォーマンスが良くオススメです。

私も市場で売却を選択しました!
公開買い付けに応募する
公開買い付けが成立すれば事前に決められたTOB価格で買い取ってもらえるのが魅力です。
ただし、指定された証券会社からしか申し込みができないので、口座開設や証券移管をする必要があります。
さらに、応募後すぐに買い取って貰えるわけではありません。
公開買い付け期間が終了してからの決済なので、入金まで1ヶ月以上かかることもあります。
高く売ることができますが、タイムパフォーマンスが悪い選択肢です。
- 市場価格より高く売れる
- 成立すれば公募価格で確実に売れる
- 現金化まで時間がかかる
- 応募できる証券会社が限られる
- 公開買い付けに失敗した場合は株価急落
市場で売却する
1番オススメな方法がコチラです。
公開買い付けが発表されると、市場での株価もプレミアムの乗った買付価格近辺まで急騰します。
単純な話、安値で放置される=買付価格との差額丸儲けとなるからです。

安値のままだったら100%に近い確率で成功する転売みたいになっちゃうもんな!
急騰すると言っても、買付価格から僅かに低い価格になります。小さな利鞘を稼ぐアービトラージ勢が株を買ってくれる人がいるから売買が成立するのです。
今回きっかけになったセントケアホールディングスの場合は、買付価格が1株1,220円に対して1,217円を付けています。
そのため、単元であれば300円の差しかありません。このくらいであれば、手間をかけて公開買い付けに応募するよりも市場で売却してしまった方が合理的と言えるでしょう。

前述の通り、公開買い付けへの応募は手間がかかるし、資金ロックもあるから手間賃みたいな感じかな?

街の金券ショップで取り扱われてるQUOカードと似てますね。
- すぐに現金化できる
- 公開買い付けの応募が省ける
- TOB価格より少し安くなる
- 買い手がいないと売れない
売らずにホールドする
この選択肢は個人投資家は考える必要がありません。
本来正解のはずの長期ホールドは、公開買い付けの状況下では基本的に悪手です。
ひとつだけあるとすれば、買付価格が明らかに企業価値より低いと考える場合くらいなものです。
メリットがほぼなく、デメリットが圧倒的に強い選択肢です。
- 何もしなくていい
- TOB価格が納得できない時の対抗手段
- 最終的にスクイーズアウト(強制買取)になることが多く、不確定要素が多い
- 友好的買収の場合、配当や優待が廃止されることが多いためホールドは不利
- 上場廃止後に売却する手段がなく、現金化するまでが長い
まとめ
保有株がMBO・TOBの対象になった時の対処法でした。
謎のA4封筒が送られてきて長々と難しい手紙が入っており面を食らってしまうかもしれませんが、プレミアムの乗った価格であれば美味しい思いができる個別株投資ならではの楽しみです。
公開買い付けに応募してみようかとも考えましたが、手間を考えると『市場で売却』という選択が無難でカンタンと結論づけました。

体験として応募してみるのは面白いかもしれないけど、こだわりが無ければ確実に即現金化できた方がいいよね。

フルインベストメントしてるから現金がすぐ入った方が助かるぜ…
ということで、市場で売却して新NISAの種銭に回してしまおうと思います。
株主優待を目当てに1単元のみの保有でしたが、保有期間1年足らずで60%を超える利益になりました。
こうして、小型個別株にハマっていくんだなと…新NISA優先を守れるよう、意志を固くして過ごしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


