こんにちは。カネの亡者のじんまいです。
先日の厚生労働省ホームページで、今年の最低賃金の上昇について発表されました。
あくまでも目安ではあるので決定ではありませんが、この通りに最低賃金の引き上げが行われた場合は63円の増加です。
決定は9~10月ごろ。仮にこの通り決まれば東京の最低賃金は1,226円になります。

ここ数年は上がり続けているけど、最大の上げ幅になりそうだね。

最低賃金が上がると、生活はどのくらい変わるんだ?
- どのくらい給料が増える?
- 正社員には関係あるの?
- 最低賃金の上昇推移
- 将来の給料はどうなる?

結論!月額1万円くらいは増えそうです!
どのくらい給料が増えるのか
今回、東京都を含むAグループでは、63円の上昇が見込まれています。
年間休日108日(祝日なし)のフルタイム勤務の会社であれば、月の所定労働時間は約170時間ほどになります。
最低賃金で働いているのであれば、
63円×170時間=10,710円の増加です。

1万円の昇給と考えるとかなりデカいな!
年間であれば128,520円なので国内旅行に行ってもお釣りが来るくらいの額になります。
さらに、最低賃金の上昇は残業代にも大きく影響します。
現行の最低賃金である1,163円の場合は
1時間あたりの残業代は
1,163円×1.25(割増率)=1,454円。
今年の予想である1,226円であれば、
1時間あたりの残業代は
1,226円×1.25(割増率)=1,533円。
単純に63円増えるだけではなく、63円にも割増賃金が発生するので、差し引き79円の増額になります。
この状態で月45時間も残業したら、
(新)1,533円-(旧)1,454円=79円UP
79円×45時間=月/3,555円
約3,500円の追加!
年間で42,660円なので所定分のUPと合わせたら年間約17万!

63円と侮れないですね!
正社員には関係あるのか
結論から言うと、関係大アリです!
正社員だと、月給制の働き方が基本で、中には年俸制だなんて方もいて、一見関係なく思うでしょう。

正社員は月額制のサブスクじゃないぞ!!
様々な働き方がありますが、報酬体系がどうであろうと最低賃金は守られなければなりません。

月給制の最低賃金ってどうやって計算するんだ?
自身が最低賃金を超えているかを確認するのは思ったよりも簡単です。
基本給+諸手当の額を、社規や労働契約で定められている月間の所定労働時間で割れば1時間あたりの賃金が計算できます。

諸手当は、家族手当など含まれない手当もあるから注意が必要だぜ!
最低賃金の上昇推移
日本は長らくデフレ、バブル崩壊から2020年ごろまでを失われた30年なんて呼んだりします。
ですが、本格的に最低賃金が上がり始めた2007年〜2025年までで考えると、平均賃上げ率は約3.5%もあります。


賃上げという面では結構上がってたんだなぁ…と感じました。
今後の給料はどうなるのか
最低賃金がこのままのペースで上昇すると、給料はどのように変化していくのでしょうか?
政府が掲げる、

2020年代のうちに最低賃金を1500円にする!
という台詞を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
実際に実現可能なのでしょうか?
2025年と同様の毎年+63円(単純加算)が続けば 1,226+63×5=1,541円となり1500円を突破することができます。
ですが、+63円というのは、ここ最近の高水準のアップ率がなせるワザ。
本格的に最低賃金の上昇が始まった2017年~2025年のアップ率を平均すると年3.47%のアップとなります。
年3.47%(複利)で賃金が上昇した場合、2030年では1454円と、1500円を突破することはできません。

東京都に限った話で言えば、決して絵空事ではないですが、少々厳しいかなといった印象です。

政府が言ってるのは、「東京都」ではなくて「全国平均」だろ!!

おっしゃる通りです…東京都でもギリギリ到達なので、なかなか厳しい目標と言わざるをえませんね。
さらに、
このペースのままで10年、20年と立っていくと最低賃金とはいえバカにできない額になります。
こうなると当然インフレが起こります。物の価格が上がっていくのです。
インフレが起こるということは、以前は100円で買えた物が100円で買えなくなるということです。
今の100円は、将来にはそれ以下の価値しかないということです。

貯金をしていれば将来安泰とは言えない理由です。

インフレに対抗するためにも投資は必須ってことだ!
- Q:正社員でも最低賃金の上昇の恩恵は受けれるの?
A:基本給+対象の手当÷所定労働時間で最低賃金が算出されるので、下回っている場合は賃上げする必要があります。 - Q:最低賃金は発効されるの?
A:例年では多くの都道府県で10月初旬頃です。
まとめ
最低賃金上昇に伴う影響と、将来の予想でした。
実際の数値で見てみると、意外とバカにできない額が入ってくることがわかります。
さらに、長らくデフレと付き合ってきた日本でしたが、最低賃金は順調に上がっています。
昨今、話題になりがちな日本でもインフレが…!というお話を考慮すると、
デフレ下でさえ上がっていた賃金が、インフレ下で上がらないわけがありません。
インフレ=資産の目減りに対抗するためには投資が必須です。
これからは今までの常識を捨てて、正しい金融リテラリーを学んでいかないと、どんどん置いてけぼりにされてしまうでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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