こんにちは。じんまいです。
今回は各地で発生している、初任給の底上げをした結果、既存の社員の方が給料が下になってしまう逆転現象についてです。
かくいう私も見事にくらいました。
社歴は10年、数年前から役職についており(下級ですが)、定期昇進や定期昇給も少しだけですが周りより良い。そんな状態だったにも関わらず…。定期昇給があるものの、千円ちょっとと微増だからですね。
この記事を読むと
- なぜ逆転現象が起こるのか
- 逆転現象のデメリット
- どう折り合いを着けるか
が分かります。
愚痴記事になってしまいそうだけど、できる限り客観的にまとめてみたいと思います。
なぜ逆転現象が起こるのか
普通に考えたらおかしいはずの給与逆転現象。なぜ起こってしまうのでしょうか。
原因は人手不足と言っても過言ではないでしょう。
昨今日本では出生率減少に伴い、若い働き手が不足しています。年々出生率は落ちていますから、これから先も労働者が不足していくのは明白です。
その為、各企業は少ないパイを必死に取り込もうと競争が激化しているのです。
特に、シフト制だったり労働集約型のビジネスモデルを展開している企業にとって、人手不足は死活問題です。
人手不足になることで労働環境が悪化し、既存の社員が辞めてしまう。仕事があるのに受けれない。利益が出せずに従業員の処遇を改善できない。
そんな悪循環に陥ってしまったら、人手不足倒産が頭をよぎります。
そんな状況を回避するために、新たな人を雇うことに必死です。
結果、新入社員を獲得することを目標に、初任給の引き上げを実施しています。
給料逆転のデメリット
新人を獲得するために起こってしまった給与の逆転現象。デメリットはないのでしょうか。
当然あると思っていて、下記のような現象に見舞われるのではないかと考えています。
- 既存社員のモチベーション低下
- 既存社員の流出
- 新人教育の停滞
- 新人の離職
など多岐に渡ると考えています。
既存社員のモチベーション低下
言わずもがなです。今まで会社に貢献してきた社員の給与が新卒以下というのはモチベーションの低下につながります。
給与とは自身の労働に対する価値と捉えられます。仕事を覚え、顧客のために身を粉にして働き、やっと認められて給料が増える。
そうやって積み上げてきているのに、ポテンシャル採用である新卒に軽々抜かれてしまっては複雑な気持ちでしょう。
新卒は育成枠として採用しています。みんなで大事に大事に育てていくのです。ですがその対象が自身より多く給与をもらっている。
簡単には納得できないでしょう。この状態が続くと、転職する社員が増えてきます。
既存社員の流出
そうして金銭的なモチベーションを失った社員は転職していきます。
どこの会社も人手不足で初任給を上げています。その為、転職で給与がアップする可能性が高いのです。
結果を残している優秀な層から転職が決まっていきます。他社で即戦力として採用されるからです。
新人教育の停滞
そうして優秀な人が去っていくと、新人が育たない環境ができあがります。
人が減ることで、従業員の余裕も減り、時間的にも精神的にも新人教育のできる環境ではなくなります。
さらに、教育中にも自分より給料高いんだよなぁ…と頭をよぎります。
中にはイジメやハラスメントをしてしまう既存社員も出てくるかもしれません。
新人の離職
新卒本人らも先輩より給料が多いことを自覚しています。真面目で優しい人なら申し訳なさすら感じるでしょう。
先輩たちが会社から大事にされていないと感じてしまうかもしれません。
将来は自身が給与逆転を受ける立場になるかもしれない。と理解すると当然モチベーションは下がります。
長く働くならそういった会社ではなく、能力に応じた適正給与の貰える職場で働きたいものです。
結果、新人まで早期で離職ということになりかねません。
折り合いの付け方
ここからは既存社員の、給与逆転に折り合いをつける方法です。
正直な話、大人になるしかありませんが少しでも理屈をつけて、納得していきましょう。
業務が楽になる
新人が入ってきて、従業員が増えれば業務が楽になります。特にシフト制であればなおさらです。
先述した通り、人材獲得競争が激化しており条件をよくしなければ人が入ってきてくれません。
結果、激務の果てに人手不足倒産なんてなったら目も当てられないのです。
そのためにも新人を確保するための苦肉の策として、初任給引き上げをしているのです。
給与が上がる場合がある
給与の逆転を問題視している会社は、既存社員の給与を初任給の水準まで引き上げるという方法をとっています。
同じ水準ではありますが賃金がアップします。…新入社員と比較すると悲しくなりますが、過去の自分と比べれば間違いなく収入アップです。
今までの昇給が無駄になるともいえるけど…
ポ、ポジティブに考えようぜ!
給与は簡単にあげられない
給与を上げる際、会社には額面以上の負担があるのはご存知でしょうか。
労働者と会社で折半している健康保険料や厚生年金です。
給与を上げるとこれらの等級も上がり会社負担が増えてしまいます。労働者から見えている以上にコストが増加してしまうということです。
また一度上げた給料を下げるためには、労働者の合意が必要です。…当然ですが、減額を受け入れる人なんてそうそういないでしょう。
そのため、固定費を上げたくない企業は賃上げを渋るわけです。経営に何かあった際に、固定費が多いと耐えきれなくなります。固定費が少なければ余裕がクッションになって経営難を乗り越えれる可能性が上がるからですね。
経営が安定するのは労働者にとっても悪い話ではないのですが、バランスが難しいですね。
まとめ
給与逆転現象、いかがでしたでしょうか。納得できない人が大半ではないでしょうか。
冒頭の通り、私もしっかり当てはまっています。ただ、私の会社は既存社員も新卒と同水準まで引き上げてはくれています。
私はもう10年目ですが、昇給ピッチの低い会社なので当てはまってしまいました。
今までの努力が全てパァということになりますので、いい気分はしません。モチベはジェットコースターに乗って飛んでいってしまいました。
ですが、新入社員に罪はありません。これまで同様、大切に育てていくつもりです。
いつか、既存の社員も救われるような動きに社会がなっていくと信じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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